第3回 『コーヒースペシャリスト』 3日目
DINIZ CAFEスタッフ、ちひろです! コーヒー・スペシャリスト3日目のレポートをさせていただきます。
3日目のカリキュラムは、
*収穫と生産処理法
*生産処理方法の違いによるコーヒーの特徴
*アロマキットを使った嗅覚トレーニング
コーヒーの収穫は国ごとに違い、大きく2つに分かれます。
1つは【ストリップ・ピッキング(Strip Picking)】
「枝を掴んで、果実を取る」という作業で、枝にある果実全てを一度に収穫します。
コーヒーの木の下にビニールを敷き、人の手または熊手のような形をした機械によって実を落とす収穫方法、さらにココーヒーの木を覆ってしまう程の大型機械を使って収穫する方法等があります。
ストリップ・ピッキングは収穫期間が早く、機械を使うことにより大量のコーヒー豆を低コストで収穫できますが、成熟・未熟関係なしに全ての実が混ざってしまうという問題があります。
もう1つは【セレクティブ・ピッキング(Selective Picking)】
人の手により一粒一粒、完熟した実だけを収穫します。
ストリップ・ピッキングと比べると収穫期間は長く、労働コストも高い上、収穫量は少ないですが、未熟な豆が含まれていないため、その品質は格段と素晴らしいものです。
収穫されたコーヒー豆は、次に生産処理の工程へ。これも国によって様々な方法があるようですが、今回の講習では3つの工程を教えて頂きました。
①【ウォッシュド】
プールのようなタンクに水を貯め、そこにコーヒーの実を流してその比重(成熟した実は重く、未熟な豆は軽い)で大体の選別をし、機械を利用して皮を剥いた後、発酵槽にて糖分を多く含んだ「粘液質」と呼ばれるヌメリを分解・除去します。
そのあと豆を洗い、コンクリートの上や機械の温風等を利用して乾燥させた後、パーチメントを取り除きます。この方法は良質の豆に使われることが多く、その発酵工程から、フルーティで且つシャープな酸味の中にもマイルドさを感じる味わいが特徴です。
②【ナチュラル】
果肉のついた状態、つまりコーヒーチェリーのまま乾燥させる方法です。天候にもよりますがウォッシュドが乾燥に約1週間かかるのに対し、ナチュラルでは約1ヵ月となります。
欠点豆の混入率が高いため品質の維持は難しいですがコーヒーチェリーのまま乾燥させることで、甘さやコクのある独特な風味をもたらすのが特徴です。
③【セミウォッシュド】(別名:パルプドナチュラル)
ウォッシュドと違い、発酵槽での分解作業は行いません。皮を剥く機械に通す際、成熟した実の皮は剥くことができ、未熟な実の皮は固くて剥けないという性質を利用することで選別。その後、乾燥させるという方法です。水で洗い流さない分、甘味があり、品質はナチュラルよりも高いものとなります。
これらの生産処理の工程を終えたコーヒー豆を袋に詰め、そこからさらに約3カ月寝かせます。
講習では、収穫・生産処理の様子を動画で見せていただきました。言葉にできないほど、それぞれの作業が本当に大変なものでした。
しかし今日、農園の方々のその懸命な努力とは裏腹に、コーヒー業界には水不足・水質汚染、労働コスト、格差社会といった深刻な問題が多く存在するのです。
そのような問題をかかえる中、収穫・生産処理・保管・輸入といった長い長い道のりと、多くの方々の想いを経て、私達が頂く「コーヒー1杯」という形にたどり着いている。この【プロセス】がいかに貴重な事かということに消費者一人一人がもっと気づくこと、意識を向けること、知ることが大事なのではないかと思いました。
最後に、嗅覚トレーニング。
今回は「Dry Destillation(コーヒーが焦げた時の反応)」でした。
このグループは1回目と2回目の時に比べると鼻にツンとくるような香りが多かったです。参加者の皆様も「うわっ…」と嫌な顔を浮かべる方もいらっしゃれば、「私この香り意外と好きなんだけどな~。え、この香りは薬なの!?」といった方も(笑) 人によって、また、これまでの経験によっても感じ方が違うみたいです。面白い!!!
さて、次回4日目のカリキュラムは
*品質、欠点豆の分類
*コーヒーの成分と特性
*アロマキットを使った嗅覚トレーニング
以上DINIZ CAFEスタッフ、ちひろがお送り致しました☆